IKEA METODでつくる、壁付けキッチンの実例と構成

IKEAメトードの壁付けキッチン。アイランド越しに見た全体構成
アイランド越しに見た壁付けキッチンの全体構成。

新居の壁付けキッチンは、IKEAの「メトード(METOD)」シリーズでつくりました。
IKEAのキッチンは、自由度が高いぶん、初めて見ると少し難しく感じるかもしれません。
というのも、キャビネットや扉、引き出しなどを自分で組み合わせてつくる仕組みになっているからです。

わが家の場合は、「全体の長さ(壁から耐力壁まで)」と「絶対に入れたい設備(シンクと食洗機)」が決まっていたので、比較的スムーズに構成を決めることができました。

この記事では、そんなわが家の壁付けキッチンのベースキャビネット構成と選び方の流れを紹介します。
IKEAキッチンを検討している方や、サイズ決めで迷っている方の参考になれば嬉しいです。

IKEAメトードの壁付けキッチン全体写真
わが家のキッチンは壁付け+アイランドの2列構成です。

壁付けキッチンのレイアウトと基本構成

IKEAのキッチンでは、下台の枠組みを「ベースキャビネット」、吊り戸棚の枠組みを「ウォールキャビネット」と呼びます。
このキャビネットはサイズ展開が豊富で、そこに好みの扉や引き出しのタイプを組み合わせていく仕組みです。

わが家の壁付けキッチンは下台のみで構成し、吊り戸棚はあえてつけていません。
壁付けキッチンとアイランドカウンターの2列で構成し、ここに調理器具や食器類を収納しています。

※アイランドカウンターについては、別記事で詳しく紹介予定です。

レイアウトとサイズの決め方

キャビネットの幅を決めるときは、「どれを入れよう」と考える前に、まず使える長さを把握することが大切です。

わが家の場合、壁の端から耐力壁までの長さで制限があり、そこから逆算して「最大でどこまで置けるか」が自然に決まりました。

必須の条件はこの2つです。

  • シンク(大きめサイズ)
  • ビルトイン食洗機(幅600mm)

この条件をもとに、残りのスペースを横幅のサイズでパズルのように組み合わせて決めていきました。

最終的な構成

IKEAメトードのベースキャビネットのラインと取手配置
左から、400mm 900mm 600mm 750mmのベースキャビネットで構成。
位置仕様主な用途
左端400mm引き出し3段タイプ(浅2・深1)カトラリー、小物類
シンク下900mm上部扉+下段引き出し2段(浅1・深1)調味料、保存容器など
食洗機600mmビルトイン食洗機食器洗浄機
コンロ下750mm引き出し3段タイプ(浅2・深1)鍋、フライパン収納
両端仕上げ13mmカバーパネル両端の化粧仕上げ用

動線がスムーズになるように、シンク→食洗機 + 調理スペース→コンロの順で配置しました

全体の幅は約2,700mm。
奥行きは600mm(天板含まず)、天板を含めた実測では約640mmほどあります。
高さは、キャビネット800mm+脚80mm+天板30mmで合計約915mm
(※実測値は設置状況によるわずかな差を含むため、単純な合算値とは若干異なります)

IKEAのキッチンのワークトップの高さは、国内メーカーが推奨する「身長から計算した作業しやすい高さ」と比べると、身長170cm以上が基準になるため、やや高めに感じるかもしれません。

Aomi
Aomi

ワークトップの理想の高さを求める計算式として、「身長÷2+5cm」がよく使われています。
私の場合(身長160cm)だと、
160 ÷ 2 + 5 = 85cm(850mm)

この式を基準にすると、IKEAキッチンの915mmはやや高めということになります。

実際、他のキッチンを検討していたときに訪れた国内メーカーのショールームでも、おすすめされた高さは850mmでした。

採用時は少し迷いましたが、実際に使ってみるとまったく問題ありませんでした。
むしろ私にはちょうど良く、もう少し高くても良かったと感じるほどです。

IKEAキッチンのワークトップ高さ915mmの使用イメージ
ワークトップ高さは915mm。身長160cmの私で違和感なく使えています。

計算式を鵜呑みにせず、自分が包丁を使う姿勢や、フライパンを振るときの高さを想像し、今使っているワークトップとの差を具体的にイメージすると決めやすいと思います。

私の場合は、もし高いと感じたら厚底スリッパで調整すればいいと割り切っていました。
背の高い家族でも立ちやすく、結果的に「高めで正解だった」と感じています。


また、壁付けキッチンの左側カバーパネルには2口コンセントを埋め込みました。
コンセントパーツは施主支給で、「R.C.Company」のアメリカ製スイッチシリーズを使用。

当初は「露出でもいいので付けてほしい」と業者さんにお願いしていましたが、施工時に埋め込み対応が可能であることがわかり、最終的に埋め込んでもらいました。

IKEAメトード壁付けキッチンの左側カバーパネルに埋め込まれた2口コンセント(ブラック)
左側カバーパネルに埋め込んだ2口コンセント。見た目もすっきりして使いやすい位置です。

設置場所は、左側のカバーパネル部分
内壁への設置は夫の希望でNGだったためこの位置にしましたが、結果的には、使いやすくて見た目もすっきりしたベストな位置でした。

Aomi
Aomi

今思えば、水栓や食洗機のコンセントはしっかり内壁に付いていました…笑

現在は、1口を電気ケトルの定位置用に、もう1口を炊飯器(炊くときのみ使用)に利用しています。

デザイン性のあるブラックのプレートがカッコよく、機能と見た目の両方で満足している部分です。


キャビネット選びで迷ったこと

IKEAキッチンの良さは、すべての収納を引き出しタイプにできる自由度にあると思います。
国内メーカーでは価格を抑えるために両開き扉を採用することもありますが、IKEAの場合、全体のコストが抑えられるぶん、引き出しを選ぶ余裕が生まれるのが大きな利点です。

引き出し一択だった理由

わが家では、はじめから両開きタイプは検討せず、引き出し一択にしました。
経験上、扉タイプはどうしても奥のものが取り出しにくく、ラックを買い足して何とか使う、なんてことになりがちでした。
はじめから引き出しにできるなら、その方が使い勝手がいいと思います。

段数と深さのバランス

引き出しの段数については少し悩みましたが、浅型と深型を両方取り入れると収納の幅が広がることを過去の賃貸キッチンで学んでいました。
結果的に、左端とコンロ下はどちらも3段(浅2・深1)構成に。
小物類も大鍋も無理なく収まる、理想的なバランスになりました。

IKEAメトードの引き出し3段タイプ。浅型と深型の比較
浅型と深型、両方あることで様々な調理器具を収納できます。

幅の長い引き出しの不安と実際

心配だったのは、シンク下やコンロ下の大きめ引き出しの重さと耐久性
賃貸で使っていたIKEAキッチンのキャビネットは最大でも幅650mm程度だったと思うので、今回採用した900mmや750mmのキャビネットは、「いっぱいに収納した状態で引き出すと重くないか?」「耐久性は大丈夫か?」と不安がありました。

実際に使ってみると問題なく、スムーズに動作しています。

見た目の統一感も重視

また、見た目の高さをそろえることも意識しました。
ビルトイン食洗機を除き、他のキャビネットはすべて同じ高さの引き出しに統一。結果としてラインが美しくそろい、正面から見てもすっきりした印象になりました。


実際の使い心地レビュー

使い始めて1年半ほど経ちましたが、IKEAメトードのベースキャビネットは想像通り、安心して使える「普通」の使い心地です。
以前7年間使っていた賃貸のIKEAキッチンと比べると、引き出しの作りがしっかりしており、動きに安定感があります。

引き出しの動きと静かさ

引き出しはスムーズに動き、重たいと感じることもなく、新築して1年半ほど使っていても、トラブルなく快適に使えています。
特別な高級感があるわけではありませんが、「必要十分に良い」動作です。
ほんの少し気になるとしたら、引き出すときに左右にわずかに揺れることがあるくらい。

収納力と仕分けのしやすさ

国内メーカーのような仕切り付きの収納システムはありませんが、私はシンプルな引き出し構成で十分満足しています。

引越し前に、どこに何をしまうか細かいところまでは決めきれず、引越してから考える方針にしましたが、
浅型と深型を両方採用したことで、「細かいものは上・大きいものは下」と自然に整理できました。

掃除とメンテナンス

IKEAメトードの引き出し内部。滑り止めシート使用
引き出し内部には滑り止めシートを敷き、掃除もしやすくしています。

底板はパーティクルボードにメラミン仕上げ。あらかじめ滑り止めシートを敷いて使っています。
汚れたらシートをキレイにするだけ。
底面をステンレスにできるメーカーもありますが、この部分は使い方次第で耐久性は変わると思います。

IKEAにしてよかったと思うこと

IKEAの魅力は、必要なパーツだけを購入できる仕組みです。
不要な部材を省き、代わりにこだわりたい部分に予算を回せる。
キッチンプランナーを使えば、概算の材料費を自分で把握できるので、国内メーカーでは予算の関係で実現できなかったキッチンを、現実的な価格で形にできました。


まとめ

IKEAキッチンは、見た目・使い心地・コスパ、どれを取っても満足度が高いと感じています。
少し手間はかかりますが、自分の暮らしに合わせて組める自由さこそがIKEAキッチンの魅力。
メトードは、「コスト」と「デザイン」を両立したい人におすすめです。

壁付けキッチンとアイランドカウンターの距離感
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