キッチンの壁タイルはどう選ぶ?バーガンディ採用の理由と、貼る範囲・目地色まで詳しく紹介

壁づけキッチン正面とバーガンディタイルの全景
壁づけキッチンのタイル全景

キッチンの壁材は、家づくりの初期段階から
「タイルにする」と決めていました。

海外SNSを見ると、アメリカンハウスやファーマーズスタイルのキッチンで
白いタイル壁が部分的に使われている例をよく見かけます。
新居でも、あの世界観のキッチンを作りたいと思っていたので、
タイルはほぼ必須という感覚でした。

さらに、タイルが持つ「空間の柔らかさ」や「デザイン性の強さ」は、
7年間暮らしたデザイナーズ賃貸で経験していました。

その家のキッチンでは、

  • コンロ側:白いサブウェイタイル
  • カップボード側:エメラルドグリーンの正方形アンティークタイル

という2種類のタイルが使われていて、
王道の白いサブウェイタイルと、遊びのあるタイルの組み合わせがとても気に入っていました。

賃貸時代キッチンの白いサブウェイタイル壁
7年間暮らした賃貸キッチンのコンロ側に使われていた、白いサブウェイタイル。
賃貸時代キッチンのエメラルドグリーンタイル壁
カップボード側に使われていた、エメラルドグリーンの正方形アンティークタイル。

タイル選びのスタート

キッチン本体の検討と並行して、タイル選びも進めていました。

最初は「想像ベースで外さない白タイルにしよう」と考えていたものの、
SNSで多くの施工例を見るうちに、
他の色や質感にも惹かれるようになり、候補が一気に増えていきました。

Aomi
Aomi

タイルはキッチン本体に比べて、選べる種類が圧倒的に多いんですよね。
しかも、どれも「いい!」と思えてしまう。
見れば見るほど候補が増えて、なかなか絞れませんでした…。

Webでもある程度の情報は得られますが、
実物を見ないと分からないことも多いので、
名古屋モザイクや平田タイルの カタログを取り寄せ
ショールームにも足を運びました。

名古屋モザイクショールーム外観
タイル選びのために訪れた、名古屋モザイクショールームの外観。

気になるタイルはサンプルを持ち帰ったり取り寄せたりして、
キッチン本体が決まるまで、ずっと比較を続けていました。

キッチン本体が決まったあとは、
キャビネットの色味が似ている施工例をPinterestで探し、
ひたすら保存して参考にしていました。

その中から「一番惹かれる画像」を選び、
そこに使われていたタイルを画像検索して、
価格や原産国まで調べることもしていました。

Aomi
Aomi

調べているうちに、Etsy(海外EC)では
クラフト系のタイルも多く、一般の人でも普通に購入できることを知り、
日本との選択肢の多さの違いにも驚きました。

ちなみに、キッチン本体が決まる前には、
別のキッチン案を検討していた時期もあり、
その際はタイル・カウンター・扉材のサンプルを家に持ち帰って、
実際に並べて比較する作業もしていました。

別案として検討していたキッチンサンプル3点セット
採用には至らなかったものの、タイル・カウンター・扉材を並べて比較していたときのサンプル。

最終的にはこの組み合わせは採用しませんでしたが、
家の光の下で実物を合わせてみる作業は、
タイル選びの判断にとても役立ちました。


最終的に選んだタイルと、その決め手

最終的にわが家が採用したタイルは、
名古屋モザイク工業の 「バーガンディ/ホワイト(EKP-F2700)」 です。

名古屋モザイク「バーガンディ」シリーズの色展開サンプル
名古屋モザイク「バーガンディ」シリーズの色展開が分かる、サンプルボードの写真。

名古屋モザイクのカタログ(2022年頃)の初めの方にも施工例が多く掲載されており、
人気のあるシリーズのひとつだと感じました。

採用の決め手

真っ白なサブウェイタイルは整然としていて素敵ですが、
私としては、もう少し「遊び」が欲しい気持ちがありました。

スペイン産のバーガンディは、
表面にほんのりゆらぎがあり、光の入り方で表情が変わる不均一な光沢があります。
一枚ごとにわずかな個体差があるクラフト感も魅力で、
同じホワイトでも微妙な色幅があるため、
壁に貼ると単調にならず、自然なデザイン性が生まれるところに惹かれました。

バーガンディ/ホワイトタイル表面の質感アップ
採用したバーガンディ/ホワイトタイルの表面のゆらぎや光沢が分かる寄りカット。
Aomi
Aomi

バーガンディは、Etsyで見つけたスペイン産のタイルと酷似しており、
「たぶんこれと同じルーツなのでは?」と思えるほどでした。
そういった点も、採用理由のひとつです。

水掛かりについてメーカーへ確認

商品の説明欄には
「水掛かりの多い箇所は避ける」とありましたが、
キッチンでの使用に問題がないか気になったため、念のためメーカーへ問い合わせました。

名古屋モザイク工業からの回答は以下の通りです。

【水掛かりの多い箇所】とは、浴室のように
常に水が掛かり続ける場所を指します。
キッチンの水はね程度であれば問題なくご使用いただけます。

この回答を確認し、安心して採用を決めました。


タイルを貼る範囲はどう決めたか

タイルを決めたあとは、
どこまで貼るか? が次のテーマになりました。

海外のキッチンでは全面張りではなく、
部分的に貼るデザイン もよく見かけます。
私自身も、そのほうが視覚的に軽く、コストを抑えられるうえ、
デザイン性もあると感じていました。

Aomi
Aomi

タイルって本当にかわいいんですが、
お値段はかわいくないんですよね…

この理由から全面張りではなく部分張りに決めましたが、
どの高さまで貼るか? という点で、次の悩みが出てきました。

そこで参考にしたのが、
新居の構想中に暮らしていたデザイナーズ賃貸のキッチンです。

IHコンロ・レンジフードON・コンロガード使用
(2階キッチン × 吹き抜け)という、
一般的には「油はねが少なめ」とされる条件で7年間料理していました。

その中で、揚げ物や炒め物をした際に
実際どの高さまで油が飛んでいたか を目視で確認していたので、
これをわが家の基準にすることにしました。

飾り棚とのバランスを同時に検討

もうひとつ検討材料になったのが、
タイルより上の位置に取り付ける予定だった飾り棚とのバランス です。

部分張りにするならタイルより上に棚を設置したかったため、
タイルの貼り上がり高さと棚の位置関係を同時に考える必要がありました。

このタイミングで担当さんに

  • 全面張りした場合の見積もり
  • 下部のみ(約60〜70cm)を張った場合の見積もり
  • タイル割(割付図)

を依頼し、
高さごとの見た目・施工費・割り付けの美しさ をまとめて比較しました。

Aomi
Aomi

日本における部分張りの施工例は少ないので、
割付図をもらい、仕上がりのイメージをできるだけすり合わせておきたかったんです。

最終決定した高さ

結果として、
部分張りが費用・デザイン・棚とのバランス、
すべてにおいてちょうどよく、採用することになりました。

バーガンディタイルの貼り高さと飾り棚位置が分かるキッチン全景
天板から約630mmの高さまでバーガンディタイルを貼った、現在のキッチン壁全景。

実際のタイルは高さ65mmの9段構成で、
最下段のシーリングラインまで含めると、目地幅(約5mm)が9本分入ります。
キッチン天板奥側の立ち上がり(約20mm)も加えると、
天板からの立ち上がり高さはおよそ650mmになります。

この高さは
過去の実体験に基づく安心感 もあり、
見た目にも抜け感があって気に入っています。

※換気方式の詳細は別記事でまとめます。

補足:タイルの費用について(見積もり時:2023年9月)
全面張りの場合は 約13万円
今回採用した立ち上がり高さ(約630mm)の部分張りは 約7万円 でした。
費用面でも、部分張りのほうが現実的な選択でした。


目地色選びとメーカー決定

タイル同様に迷ったのが目地。
あまり注目されない部材ですが、目地の色による印象差は想像以上に大きいです。

担当さんには、
Pinterestで見つけた

この2つのリンクを送り、「この画像の#85か#90の色味が理想」と共有しました。

Aomi
Aomi

Pinterestでは
“choosing grout for white subway tile” のほか、
“white subway tile grout” などで検索すると、
タイル × 目地の比較が見られて便利でした。

比較した目地

当時(2024年1月頃)、担当さんから
以下の3種類を同等金額で選べると伺い、
各メーカーサイトで色味を比較しました。

  • INAX:イナメジ
  • 名古屋モザイク:アートパステルメジ
  • 名古屋モザイク:アートブリックメジ

そのうえで最終的には、

アートパステルメジ
AMJ-P01(すずいろ)

を採用しました。

目地幅はメーカー推奨の 約5mm を採用しています。
(バーガンディの施工注意にも「5mm程度の目地幅で施工」と明記されています。)

バーガンディタイルとアートパステルメジ(すずいろ)の組み合わせ
バーガンディタイルに、アートパステルメジ AMJ-P01(すずいろ)を入れた目地部分の寄りカット。

実際に使ってみて

実際に生活の中で、およそ1年半使ってみた印象をまとめます。

  • トマトソースを強火で作ったとき、タイル上部までソースが飛んだ
  • ししとうを素揚げしたとき、爆発してタイル上部まで油が飛んだ
  • それ以外のストレスは特になし
  • コンロガード+ときどき水拭きで十分きれいを維持できる
  • 目地の汚れも今のところ気にならない

見た目に惹かれて採用したタイルでしたが、
実用面でも不安はほぼゼロ でした。

Aomi
Aomi

トマトソースは急いで強火で作ってしまったのですが、
強火でやると飛距離出てしまいますよね…
ししとうも考えたらわかったのに…(反省)


まとめ

  • タイルは海外SNS+賃貸での実体験から「必然」で選んだ
  • 名古屋モザイク「バーガンディ」は、ゆらぎと光沢が魅力
  • 貼る範囲は「実際に自分の料理で飛んだ高さ」を基準に決定
  • 目地はアートパステルメジ(すずいろ)でイメージ通りの仕上がり
  • 掃除は簡単で、実用面も問題なし
  • 見た目と実用性、どちらも妥協せず着地できた

この記事が、これからタイル選びをする方の
「判断のヒント」 になればうれしいです。

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